「冬休みはグアテマラに行くんだ~」と言ってみる

そして、2つ目の方法です。

やり方の出だしは一緒です。自分の内なる声を聞く。そして、心の底から、「家庭持ちは窮屈そうだな」とか「夫婦の愛情が長続きするわけがないんだ」とか「自分は仕事に集中したい」「仲間がいるから人間関係はそれで充分」なんていう風に思ったら、それはもう独身者で何が悪いと開き直るのがベスト。

実際、独身者は何も悪くないんですから。

そして、「老後は独身仲間と毎晩ワイン飲みながら、共同生活でもしようかな~」とか言ってワイン・アパートメント(実際こういうのがある)のパンフレットをチラチラ見せつけたり、「いや~、来週は雷魚を釣りに行くんだよ~」とか「冬休みはグアテマラに行くんだ」とか、ちょっと家族持ちはできない風変わりなことを言ってみる。

自分は子どもがいないから、少ないけどユニセフに募金してるんだ、なんて言葉も効きます(ただし嘘を言ってはいけません)。

こうすれば、決して惨めではない、自分の主義や単に縁がなかったことによる独身者が(ジョージ・クルーニーのような)演出できるはずです。

もっとも、いろんな立場の人が相互補完するのが会社であり社会です。だから、独身者VS家庭持ちで対立するのはいささかみっともないし、消耗するだけです。

ですから独身者の方は、ここは一つ大人になって、育休復帰直後の短時間勤務の女性社員がその日にどうしても終わらせなかった仕事を進んで手伝う、喜んで、ファミリー族の社内イベント会場の飾りつけを手伝うなどしておくと、「イイヤツだな」と人間として一目おかれるはずです。

そして、この領域に達すれば、もはや、既婚だの未婚だののレッテルで人から見られることはなくなるでしょう。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。