互いに有益な倍返しもある

すでに子どもがいる既婚者が無神経なお節介さんの場合は、どうやりこめればいいのでしょうか。その子どもの性別や学歴を把握して、「女の子は作らないんですか? 男の子はいずれ親から離れますよ」「私立校の受験はしないんですか? あの地域の公立校はレベル低いですよ」「私立校といってもあの学校? 東大進学率はゼロに等しいですね」などの言葉が有効でしょう。親の問題を持ち出して、「同居はしないんですか? 田舎に放っておくなんて親不孝です」という反撃ワードもあります。

うーん、なんだか暗くて不毛な会話ですね。禍根しか生まない気がします。それでも「倍返し」したい方はご自由にどうぞ。

逆に、あえて相手の懐に入って実利を取る道もあります。

妊活を多少意識している僕の場合は、「子どもって意外とできないものですね。何かコツがありますか。もし妻の妊娠が判明した場合は、夫はどんな対応をしたらいいのでしょう。NGワードや行動があったら教えてください」と子育て中の相手にアドバイスを求めることですね。

婚活に疲れている人は、「条件だけで結婚相手を探すと、相手からも条件で見られてしまうものですよね。直感で構いません。私に合いそうな人がいたら紹介してもらえませんか」と頼みましょう。恋愛話に飢えている既婚者(僕のことです)はがぜん張り切ってしまうかもしれません。誰もが幸せになる有益な倍返しを目指したいものです。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/