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表1 「釜石市スマートコミュニティ基本計画」の数値目標

「釜石市スマートコミュニティ基本計画」は、これらの先導プロジェクトを牽引車にして、22年までに表1のような数値目標を達成することをめざしている。もちろん、この「釜石市スマートコミュニティ基本計画」をそのままの形で実現することは、けっして容易ではない。前途に待ち受ける困難のおもなものには、事業性の確保と関係者間の利害調整がある。

「釜石市スマートコミュニティ基本計画」は、事業開始初期には、被災地復興や省エネ・再生エネ支援の各種補助金を獲得できるかもしれない。しかし、補助金だのみの事業は長続きしない。釜石市におけるスマートコミュニティの構築にとっては、1つひとつのプロジェクトの事業性を確保することが、何よりも求められる。

また、スマートコミュニティ構築には、関係者間の利害の調整も大切である。とくに土地利用が関係する場合には、この点が重要になる。利害調整には、釜石市役所が大きな役割をはたすことになろう。

事業性の確保と関係者間の利害調整は、釜石市だけでなく、日本全国のスマートコミュニティをめざす地域に共通する課題である。それらの各地域が、2つの課題を達成するために、お互いの経験を交流しあう必要がある。

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