タイはもっか政情不安だが、これが経済にとっては逆に大チャンスとなっている。バーツも人件費も上がらないため、輸出競争力が中国よりも高くなっているのだ。中国沿海部の人件費が2010年になって高騰し、元高もあって1カ月3~4万円程度にもなっている。これに対しタイはいまだ2万円程度。あまり声高にはいえないが、カンボジア、ラオス、ミャンマーなどから出稼ぎに来る人たちにいたっては、2万円以下で雇うこともできる。

しかもタイは、熟練工の忍耐力が秀でている。日本国内でしか不可能といわれていた高級カメラの製造も行えるほどで、ニコンの上位機種はほとんどがタイ製だ。この国に長期にわたって投資してきた日本にとってはまさに「隠れ兵器」のような存在である。