私の経験からいっても、大学時代は創造性のバックボーンたる「道具」をある程度使いこなすための絶好のチャンスだ、と思う。生臭き高校時代。ときには人類意識の覚醒(かくせい)があり、ときには生と死をつなぐ、自分の全生涯(ぜんしようがい)を一挙に俯瞰(ふかん)できる純粋直観があった。大学期はこのようにボンヤリとした薄明の表象を、個々の科学を「道具」にしてもっぱら現実的に追求してゆく年頃(としごろ)だ、と思う。