ルーマニア、ポーランド、ハンガリー、ウクライナなどは金融危機後、IMFに救済を求めた。それに対しIMFは「ない袖は振れない」と、いったんはこの要求を断ったものの、のちにSDR(特別引出権)建て債券を発行し、結局、救済することを決めたのだ。ちなみにSDRというのはIMF加盟国がもつ資金の引き出し権のことで、米ドル、日本円、英ポンド、ユーロによるバスケット方式を採用している。EUでは、1999年のユーロ誕生以前はECU(European Currency Unit=エキュ)というバスケット通貨を使っていた。これと同じ概念といっていいだろう。

IMFが発行したSDRに強い興味を示したのが中国。外貨準備高のドル偏重を是正(ぜせい)するチャンスと考えたのか、すぐに5兆円の引き受けを発表。さらにロシアやブラジルもそれぞれ1兆円ずつ引き受けたから、IMFの手元には7兆円が集まった。

いわばこの動きは、ドルに代わる新しい通貨誕生の可能性を模索するものだったといえるだろう。