これからはマルチプルを理解し、積極的に自社のマルチプルを高めるような経営者でなければ生き残っていけないだろう。「金利が高いから設備投資を控える」などといっていてはダメなのだ。説得力のある成長ストーリーを描き、それをきちんと市場にアナウンスすることができれば、お金は世界じゅうからやってくるのである。

逆に、いくら健全経営をしていても、成長見込みのないつまらない会社だと見られていたら株価は上がらない。「収益性はいいのにどうも株価が上がらない」と嘆いている経営者は、弾の撃ち方を知らない腰抜けガンマンだと思ってまちがいない。

錯覚だろうが、画に描いた餅だろうが、この経営者ならお金を増やしてくれると思わせたら勝ち。世界じゅうからホームレス・マネーが寄ってくる。それがマルチプル経済なのである。金利など関係ない。つまり銀行も経済の潤滑剤としての役割を終えているのだ。