グローバル化のアイロニーとは、経済の国境がなくなると同時に資金が国境を跨ぎ、企業や人材がリターンの高い新興国に流れ込むことである。新興国は積年の負のスパイラルから抜け出し、いまでは「いつの日か先進国入り」が国家ビジョンになってきている。つまり、新興国はかつての途上国や後進国とは異なり、北に搾取されるのではなく、北の資金、企業、技術などをフルに活用して「北の仲間入り」をする現在進行中の国々なのである。

一方の先進国は民間資金や企業が国境を跨いで流出し、よほどの強いリーダーか揺るぎない国家ビジョンがなければ、投資も経済も不活性化する宿命にある。そうした大きな流れを見ないで目先だけのバラマキや補正予算などにうつつを抜かす「少子高齢化先進国」日本の政府に未来を託してはいけないのだ。