トーマス・バッハ(国際オリンピック委員会新会長)

Thomas Bach
1953年、旧西ドイツのバイエルン州ヴュルツブルク生まれ。6歳からフェンシングを始め、76年のモントリオールオリンピックで金メダル。80年、モスクワオリンピックを西ドイツがボイコットしたため金メダル連覇の夢を絶たれる。81年IOC選手委員会、91年IOC委員、96年理事、2000年副会長、02年法務委員長。実務派の弁護士にして、IOC史上初のオリンピック金メダル獲得経験を持つ会長である(右は日本オリンピック委員会の竹田恆和会長)。

国際オリンピック委員会(IOC)の第9代会長に選ばれたトーマス・バッハ氏がこのたび、日本にやってきた。レセプションで、財界人約200人にビジネス・スマイルをふりまいた。

「おめでとうございます。(五輪招致レースの)東京の勝利は、あなたたちの勝利です。このことはビジネス界にとって、特別な機会を与えられたことになります。五輪マークと関係を持つことで、世界中の人々に認知されることになるのです」

だから、IOCや2020年東京五輪パラリンピックのスポンサーになってください。口には出さなかったけれど、そういうことだったのだろう。IOCと東京組織委は、この7年間で、日本の企業から1000億円程度を集めないといけないプランとなっている。

そんな事情を考えれば、東京五輪で日本が熱望する野球・ソフトボールを復活させることを検討してもおかしくない。現状では同競技の復活は困難だけれど、ルールを改正すれば何とか道は開けるのだ。

バッハ会長は、可能性を示唆した。

「個人的には柔軟性を持ってもいいと思っています」

ドイツのヴュルツブルク出身の59歳。1976年モントリオール五輪のフェンシング・フルーレ団体で金メダルを獲得した。1991年にIOC委員となり、96年には理事に就任。副会長、法務委員長を務めていた。弁護士で、ソフトな語り口と明快なロジックは定評があるところだ。

ドイツ・オリンピック委員会会長で、ドイツから初のIOC会長となる。任期が8年。さらに4年延長の可能性もある。モットーが「調和」と「多様性」。

東京の会見で、日本と中・韓との国際関係についての質問が出ると、バッハ会長は「スポーツは対話だ」と答えた。

「スポーツは二国間の橋渡しとなる。二国間の難しい問題も、スポーツを通してなら解決される可能性があるのです」

スポーツの価値を信じ、オリンピック運動の推進をリードしていく。もちろん五輪開催の魅力を訴え、五輪ビジネスの発展も図っていくのである。