新しい情報で人を引き付ける

以前第14、15回(http://president.jp/articles/-/9940)にも登場した、大手証券会社のアメリカ人マネージャーLに、最近また新たなコーチがついたというので、役立ちそうな情報をシェアしてもらった。米有名大学のMBAでリーダーシップ講座をもつ大学教授とのやりとりからのメモだ。

Lをはじめ、忙しくしている人たちをつかまえるときには、よくエレベーターピッチと呼ばれるような、歩きながらであろうと手短に魅力的なプレゼンをする必要がある。L自身も数々のプレゼンをこなしてきた中で、できるだけ多くのことを伝えようとして“背景情報を入れすぎた”という失敗をしたことがあるそうだ。

たとえば、シューズメーカーですでにマーケットシェアの情報は行きわたっている中で次のプロジェクト説明をするときに、再度マーケットシェアから説明をする必要がないのは誰でもおわかりだろう。こうした誰もが既知の背景情報を入れてしまったがために、自分が伝えたい内容に行きつく前に、忙しい人たちが話を聞かないばかりか、イラついてさえくる。Lの場合は、こんなことを言われたそうだ

「なにか私が知らないことを、的を絞って話してくれないか」

そう、これだ。裏を返せば、どんな些細なことでも“なるほど”“それはどういうことか”と興味をかきたてる情報から出すことで、人は耳を傾けてくれるというわけだ。