2013年11月25日(月)

なぜ、あの人のプレゼンに誰もが耳を傾けるのか

達人に学ぶ「伝わる技術」 第24回

PRESIDENT Online スペシャル

著者
上野 陽子 うえの・ようこ
コミュニケーション・アナリスト

上野 陽子カナダ・オーストラリア留学後、ボストン大学コミュニケーション学部修士課程でジャーナリズム専攻、東北大学博士前期課程で人間社会情報科学専攻修了。通信社の国際金融情報部、出版社、海外通販会社役員などを経て現在に至る。著書に『スティーブ・ジョブズに学ぶ 英語プレゼン』(日経BP社)、『名作映画いいとこだけの英会話』(ダイヤモンド社)、『コトバのギフト~輝く女性の100名言』(講談社)、『1週間で英語がどんどん話せるようになる26のルール』(アスコム)、『Primeシリーズ1・ビジネス英語新人研修―女子のフレーズー』(ジャパンタイムズ)ほか多数。

執筆記事一覧

上野陽子=文
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新しい情報で人を引き付ける

以前第14、15回(http://president.jp/articles/-/9940)にも登場した、大手証券会社のアメリカ人マネージャーLに、最近また新たなコーチがついたというので、役立ちそうな情報をシェアしてもらった。米有名大学のMBAでリーダーシップ講座をもつ大学教授とのやりとりからのメモだ。

Lをはじめ、忙しくしている人たちをつかまえるときには、よくエレベーターピッチと呼ばれるような、歩きながらであろうと手短に魅力的なプレゼンをする必要がある。L自身も数々のプレゼンをこなしてきた中で、できるだけ多くのことを伝えようとして“背景情報を入れすぎた”という失敗をしたことがあるそうだ。

たとえば、シューズメーカーですでにマーケットシェアの情報は行きわたっている中で次のプロジェクト説明をするときに、再度マーケットシェアから説明をする必要がないのは誰でもおわかりだろう。こうした誰もが既知の背景情報を入れてしまったがために、自分が伝えたい内容に行きつく前に、忙しい人たちが話を聞かないばかりか、イラついてさえくる。Lの場合は、こんなことを言われたそうだ

「なにか私が知らないことを、的を絞って話してくれないか」

そう、これだ。裏を返せば、どんな些細なことでも“なるほど”“それはどういうことか”と興味をかきたてる情報から出すことで、人は耳を傾けてくれるというわけだ。

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