さて、グローバル化の波に翻弄されている現在の日本である。しかし多くの日本人は、グローバル化の内実を実感していないかもしれない。「グローバリゼーションとは何か」を読んでみよう。

■グローバリゼーションとは何か

問い:21世紀、世界はグローバリゼーションの世の中になった。
ではグローバリゼーションとはいったい何のことだろうか。
答え:アメリカの子どもの将来の夢がサッカー選手で、
イタリアの子どもの夢がマンガ家で、
日本の子どもの夢がメジャーリーガーだということ。

私はかつて北アフリカのチュニジアを旅していて「マンガが大好きだ」という若者と会話を交わしたことがある。彼は、こう言ったものだ。

「僕が1番尊敬しているのは、アキラ・トリヤマだ」

鳥山明。『ドラゴンボール』の作者である。日本を遙かに離れ、アフリカの大地を踏みしめながら、現地の若者と『ドラゴンボール』について語り合う。まさに、想定外の出来事であった。

「黒縁メガネをかけた出っ歯のチビ」は忘れ去られ、いまやジャパニーズ・クールの時代である。日本人はグローバルに、相当イケてるのである。

これがハイテク、ものづくり分野のジョークとなると、もはや日本の独壇場と言っていい。「不良品」は古典的な名作だが、私が身をもって見聞した日本人伝説ははるかにすさまじかった。

■不良品

あるアメリカの自動車会社が、ロシアと日本の部品工場に以下のような仕事を発注した。
「不良品は1000個につき1つとすること」
数日後、ロシアの工場からメールが届いた。
「大変困難な条件です。期日にどうしても間に合いません。納期の延長をお願いします」
数日後、日本の工場からもメールが届いた。
「納期に向けて作業は順調に進んでおります。ただ、不良品用の設計図が
届いておりません。早急に送付してください」