夫を改心させた妻のひと言

「私は子どもが欲しいのに、夫はまだいいという」

こんな話は耳に「たこ」ができるほど聞いています。そんな夫に最も効くのはやはり「子どもが欲しい」という言葉ではないのですね。肝心なところが抜けている。

「あなたの子どもが欲しい」が重要なんです。

本にも書いてありますが、ヒキタさんの奥さんは、あまり「自由奔放」で「冒険心旺盛」な子ども時代をおくれなかったそうです。おうちが厳しかったのでしょうか?

一方でヒキタさんは、今も子ども時代も自由奔放です。楽しそうなヒキタさんの子ども時代の話を聞くうちに「こんな楽しい子ども時代を送った人の子どもを持ったらどんなに素敵だろうか?」という考えに至ったそうです。

そう、まず夫を説得したい女性は「あなたの子どもが欲しい」ということを伝えてくださいね。

しかし、そこからヒキタさんの「ダメ金玉」との戦いが始まるわけです。子づくりを思い立って病院に行ったところ、ヒキタさんの精子の運動率が「20%」だったからです。本書には涙ぐましい懐妊トレーニングの日々が綴られます。

ヒキタさんは子どもが欲しいと思った時点ですでに45歳。実は男性の年齢も「妊娠」には大きく関わってきます。

次回は、ヒキタさんの妊活やざまざまなデータを紹介しつつ、男性の不妊治療を上手に進めるコツについてお書きします。

白河桃子
少子化ジャーナリスト、作家、白百合、東京女子大非常勤講師
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。講演、テレビ出演多数。経産省「女性が輝く社会のあり方研究会」委員。著書に『婚活症候群』(ディスカヴァー携書)、共著に『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』(講談社+α新書) など。