保険に入る前に会社の制度を調べよう

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会社員が加入している4つの保険

階段転落事故をきっかけに「医療保険に入ろうか」と考え始めた弓子さん。そんな弓子さんにお勧めしたいのは、まず会社の総務部に行って福利厚生制度を聞いてみること。会社によっては、独自に医療保障の上乗せ制度を設けていることもある。たとえば高額療養費の自己負担がもっと少なくて済むケースも少なくない。

「医療保険に入っていれば病気やケガでお金がかかっても大丈夫」と思う人は多いはず。でも、民間の医療保険でお金を受け取れるのは病気やケガで入院した場合だけで、通院だけでは何ももらえないのが普通だ。それに、もらえる額って意外と少ない。入院1日1万円の保険で5日分受け取ったとしても、1万円×5日間で計5万円。手術給付金の対象になる手術をしても、10万円から最大40万円程度が上乗せになるだけ。よほど大きなケガや病気でない限り、貯金があればなんとかなりそう!?

医療保険に入れば、毎月ずっと保険料を払わなくてはならない。会社員なら公的な保険制度をフル活用することにして、その分、貯金を増やしておくという考え方もある。保険加入は会社の福利厚生制度を調べてから、十分に検討しよう。

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。