2013年10月31日(木)

ソーシャル時代に企業はどう各種ツールと向き合うべきか

ソーシャルメディアの適切な使い分け法

PRESIDENT Online スペシャル

著者
藤元 健太郎 ふじもと・けんたろう
D4DR社長/コンサルタント

藤元 健太郎

1967年東京都生まれ。1991年電気通信大学電気通信学部卒。野村総合研究所在職中の1994年からインターネットビジネスのコンサルティングをスタート。日本発のeビジネス共同実験サイトサイバービジネスパークを立ち上げる。2002年よりコンサルティング会社D4DRの代表に就任。日本初のCGMサイト関心空間社取締役、経済産業省産業構造審議会情報経済分科会委員、青山学院大学ExectiveMBA非常勤講師などを歴任。

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藤元健太郎=文
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「あまちゃん」大ヒットの陰の立役者は?

最近久しぶりにテレビドラマが大きな話題になった。NHKのあまちゃんとTBSの半沢直樹は若者のテレビ離れが進み、録画視聴も増え、もうテレビドラマでは視聴率は取れないと言われる現代において非常に高い視聴率を出したことが注目された。もちろんドラマそのものが面白かったことは間違いないが、もうひとつの要因として語られているのがソーシャルメディアの存在だ。

Twitterはリアルタイム性が高いソーシャルメディアなので、番組を見ながらつぶやく人が多く、その話題を共有するため録画しないで生で見る人が増えた。どちらのドラマもネタ性が高く、そのネタを共有する一体感を味わうために番組を見るというソーシャルメディアとの相性がよいドラマであった。またネタばれしてしまうつぶやきがタイムラインに流れてくるため、録画では面白みが半減するというまるでスポーツ中継のような意見もあった。また最近はNAVERまとめに代表される「まとめサイト」と呼ばれるタイプのソーシャルメディアも増えたため、番組を見てなかった人もドラマのどんなところが話題になっているのかをキャッチアップすることも容易になり、途中から番組を見る人を増やす効果もあっただろう。今後のヒットドラマづくりにソーシャルメディアとの相性のよさは重要な要素になるかもしれない。このようにソーシャルメディアは マスメディアとの相互作用に大きい効果があることが明確化してきた。

一方でソーシャルメディアの怖さを感じる話も増えている。アルバイト店員のちょっとしたイタズラ写真がソーシャルメディアで拡散したことにより、店舗が閉鎖に追い込まれるような事態も発生している。ネガティブで局所的な話題でも一気にマスメディアレベルの拡散が発生するという力もソーシャルメディアにはあることが確認されたと言える。

こうした中で企業の向き合い方の基本は、まずしっかりと実態を把握することだろう。自社のソーシャルメディア上の話題を「モニタリング」することは、これまで情報を発信することを目的にしていた広報やPRと同じくらい重要なことになりつつある。これまでは市場調査やサポートセンターに電話してくる人の声を市場の声として企業は捉えてきたと思うが、リアルタイムに今自社の製品やブランドの話題がどのくらいの量存在し、その内容はどのようなもので、それがどのように変化しているかという全体を把握することが少なくともTwitterでは容易になりつつあり、安価で使いやすい様々なツールやサービスも登場している。どのような不満があるのかを、その影響度合いの大きいところから対策を打つことで口コミレベルでの不満を減らす対策を行うことは可能だ。

携帯電話会社のソフトバンクのソーシャルメディア活用というと孫正義さんのTwitterのイメージが強いが、電波に対する不満を効果的に減らすために、基地局の打ち方などの優先度や効果測定にソーシャルメディア上の不満を分析したデータも活用しているということも孫さんが発表している。東南アジアなどまだまだ調査基盤が発達していない地域などで、ソーシャルメディアを活用している優良顧客層の不満の声を分析することで物流などの改善を行っているような欧米企業もある。モニタリングの活用は今やとても重要なマーケティング戦略だ。

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