日本企業は、ヤンゴンで不動産物件の確保をスピーディーに行うためには、一定の予算と裁量権を本社より与えられた上で、交渉に臨まないと、ほぼ失敗する。ミャンマー進出時における不動産物件の確保は、進出手続きの第一歩であり、ここで躓くことは、その後の進出のスピードを遅らせる原因となっているのだ。

今のミャンマーの異常な不動産価格の高騰を見て、ミャンマーはバブルだという欧米のエコノミストもいる。しかし、日本や中国で起こったバブルとは明らかに異なる点を見落としている。ミャンマーにおいては、民間の商業銀行が、未だ信用創造機能を有しておらず、資産価値を担保に、信用創造を繰り広げ、資産価格がバブルのように膨れ上がる経済構造にはない。つまり、今のミャンマーの資産価格高騰は、単純な需給ギャップに基づく実体的なものであり、信用創造に基づき架空の貨幣価値が積み上がったガラス細工ではないのだ。今後、供給サイドが追い付いてくれば、今の資産価格の高騰は一定程度、落ち着きを見せるであろう。

確かに、現在の資産価格高騰の中に、海外からの投機的な資金も一部入っているのは事実であるが、いわゆる過去、日本や中国が経験したような資産バブルのような構造とはかなり異なる前提状況であることは明らかである。またミャンマーはメコン圏最大の資源国家であり、貿易収支赤字構造にもなりにくいと言われている。今後この国は、正真正銘のアジア最後のフロンティアとして、豊富な資源を背景とした高度経済成長を遂げ、通貨価値の上昇を伴いながら、着実に国民生活は豊かになるであろう。

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