日本の生前贈与は被相続人が亡くなったときに清算して相続税を支払わなければならない仕組みである。たとえば親の資産8億円から4億円を生前贈与されたとしても、相続税の支払いが大変だと思うから、親が死ぬ前に使うことは待とうとなる。せいぜい相続税を払って、残ったら使うくらいで、経済誘発効果のない生前贈与なのだ。

法定相続人でも愛人でもいいので、生前贈与されたお金を「使った」場合にそれらを証明する領収証があれば、その分は相続時に清算する相続財産の対象外にする──。こうした方向で相続税法を少し改正するだけで若い世代への生前贈与、つまり富の移転はもっと進むだろうし、そのお金がどんどん市場に出てくるはずだ。

しかし今後予定されている相続税の増税はこれらと発想がまったく逆である。