注意しなくてはならないのは、ひとたび民衆が力をもち、何事もない平時において、依然として民主主義は優れた指導理念たり得るのか、ということである。じつはこうした状況においては民主主義なる考え方が正常に機能するのかどうか、1度も立証されてはいない。民主主義でうまくいくだろう、いくはずだ、という仮説が今日に至るまでまかり通ってしまっているにすぎない。

そもそもフランス革命においては貴族から民衆に主権を移す、ということが目的であった。「民衆」が正しい治世を行なえるのかどうか、ということについてはまったく別な議論が必要なのである。