大局観を持てないまま、過去の成功体験にすがって前例を踏襲、繰り返してきた結果、成長期には世界の5年先を突っ走っていた日本の政策は今や30年も遅れてしまった。

では、どうすればいいか。まず、この役人および政策のあり方を何年かに一度、ゼロベースでつくり直すことだ。政治主導でも官僚主導でもなく、「生活者の視点」で見たときに本当の問題は何か、その問題を解決するにはどうしたらいいかを考え、政策を決めていく。役人を「決められた政策に沿った仕事をするためのグループ」と定義し、政策と役割ごとに資源を再配分、つまり予算や役人の数を割り振るのだ。

シンガポールでは任期を終えた役所は解体される。たとえば2000年を期限に世界トップクラスのIT立国を目指して86年に創設されたナショナルコンピュータボード(コンピュータ省)は、3年前倒しで目標を達成して解体された。つまり有限の“サンセット省庁”である。