私がマッキンゼー日本支社長をしていた頃、私の仕事の対象は主にこの目に見える実体経済の空間であった。当時、私の行っていた通常のコンサルティングには、企業買収の価格設定も含まれていた。こうした企業の潜在価値の推定には、正味現在価値(NPV)という数学的予測手法が用いられる。これは、将来にわたる収入とコストを推計し、おおよその時価総額を決定し、それを企業の価値と考えるものである。NPVがこうした重要な役割を果たすのは、旧世界の経済体制では企業業績の予測指標として妥当であることが証明されているからである。旧世界のエコノミストの間では、NPVが将来にわたっても妥当であるというコンセンサスができている。だから、NPVは見えない大陸でも、ある程度有効であると考えられる。