1990年代半ばに、日本政府は封書の郵便料金を62円から80円に値上げし、ダイレクトメールのコストは大きく上昇した。しかし数週間のうちに、何種類かの解決方法が現れ、それが当たり前の方法となった。ダイレクトメール業者は、発送するメールを香港に運び、そこから航空郵便で日本に送り、郵政省のシステムで配達するほうが安いことを発見したのだ。これに対し、日本政府は、大量郵便物が日本からバルク輸送されることを禁じる法律を制定することで対抗した。ところがその結果は、日本の印刷業界の仕事が減ることになってしまった。広告チラシなどの原稿は電子的に香港に送られ、香港で印刷され封入されて日本にむけた航空便で個別に発送される。これならバルク・メールを日本から持ち出すことにならないからだ。郵便料金を上げようという日本政府の試みに、アービトラージが働き効果的なチェックメイトをかけたのだ。