「アービトラージ」という英語の単語は、比較的新しいものである。この言葉は、19世紀に当時目新しいものであった株式の投機的取引を指すものとしてつくられた造語である。元来、1つの株式市場で株式を購入し、また別の市場で売却し、その価格差を利益として得ることを指していた。

この単語の語源は、「裁定」を意味するフランス語であり、「正式法廷の外で判決を下す」という意味でこれまでは使われてきている。それが、欲や2枚舌といった汚れた意味合いをもちはじめたのは、1980年代半ばに、イワン・ボースキーのようなインサイダー取引を行ったウォール街の「アービトラージャー」たちが、有罪判決を受けた頃からである。

しかし、アービトラージそのものは、別に欲深い活動でもなければ不正な活動でもなく、道徳とは無関係である。