賢いころの日本だと、農業に関しても、世界最適地の広大な土地に日本式農業を持ち込んだら素晴らしいものができると考えて、そこの土地を買収するなり農民と契約をするなりして展開しただろう。鉄鉱石しかり、石炭しかり。日本はこれまでそうやってきたのだ。ところが、利権屋や軟体動物みたいなテレビ解説者にごまかされ続けるうちに、日本人がみな口を揃えて「食料安保だ」と言うようになった。

それで、どういう状況に陥ったか? 農業従事者の平均年齢が65.8歳という現実だ。65.8歳と言えばサラリーマンだったらとっくに定年退職している歳だ。「定年退職する世代が平均年齢で、このあとどうやって農業を守っていくのですか」と、私は利権屋さんたちに質(ただ)してみたい。農業人口は増えてないどころか、この15年間で300万人も減っている。ところが、そういう具体的な問題点を指摘して、考えようという話はどこからも出てこない。