協和発酵キリン 松田 譲 -自ら退路を断つ

研究所長から本社の総合企画室長へ
異動になったときだ。
研究者から経営者になるべく、
それまで自分が研究で使ってきた
段ボール箱約20個分の
発酵学の専門書を焼却した。これは
「自ら退路を断つ」という
強い思いがあったからだ。学生の頃から
取り組んできた研究者の立場は
自分にとって1番心の安定を
図れるポジション。その象徴ともいえる
専門書を処分することで、
苦しくなったときに
そこへ逃げ込まないようにという
決意だった。(プレジデント 10年8月30日号 当時・社長)

TDK 澤部 肇 -「数字」の限界

企業である以上、経済合理性を
追求するのは当然だ。
大事なのは数字である。だが、
「数字には限界がある。それを知らないと、
たいへんな間違いを
犯すから気をつけろ」という。
たとえば、正論は時に人を傷つける。
議論に勝っても、
相手がこちらを
向いてくれなければ
仕事にならない。それを忘れるな、
というのである。(プレジデント 10年4月12日号 当時・会長)