特典やサービスも
クレジットカードの価値の一部

──最近では、マイルやポイントがたまることもクレジットカードのアピールポイントになっていますが、蟹瀬さんは意識されますか。

【蟹瀬】私もそうですが、話を聞くと結構みなさん楽しんでためていますね。この辺りは、クレジットカードのサービスにおいて最も進化した部分でしょう。さまざまなポイントやマイルを相互に交換できたりもして、利用の幅はグッと広がりました。飛行機を使うことは多いので、マイルはしっかりと活用させてもらっています。まとまれば、海外旅行も計画するし、普段はビジネスクラスへのアップグレードに使う場合が多いですね。

──サービス面では、各種の特典もそれぞれのカードで充実させていますね。

【蟹瀬】空港でのラウンジサービスなどは定番。いつも利用しています。そのほか確かに、いまはいろいろなサービス、特典が用意されています。私は、本来は面倒くさがり屋なんだけど、実はクレジットカードの特典はチェックするんです(笑)。カード発行会社から送られてくる冊子なんかに目を通すと、「へー、こんな特典もあるんだ」と楽しくなりますね。劇場やレストランが割引になったり、名門のゴルフ場でプレーできたり、よく見てみるとかなり利用価値も高い。キャッシュレスで便利で安心というのがクレジットカードの基本要件だけど、サービス面も見逃せません。自動付帯保険などはその最たるもので、きちんと内容を把握して万一の場合は活用しないともったいない。そうしたものもクレジットカードの価値の一部ですから、賢く使わない手はありません。

10年ごとにライフスタイルの軸足を
変化させていく

──クレジットカード選びで何か基準にされていることはありますか。

【蟹瀬】これは当然ではあるけれど、まずいろんな所できちんと使えること。日本にいるとあまり意識しませんが、海外に行くと使えない種類のカードが結構ありますからね。お金の代わりということでいえば、利用範囲の広さは前提条件でしょう。

そしてコストバランス。特典やサービスについては、お話ししたとおり、各社が鎬を削っていますから、調べてみるとそれぞれ特徴があります。年会費などと見比べながら、自分にマッチするカードを選びたいところです。ある程度の年会費を支払っても、それで仕事やプライベートを充実させられるなら、結果的にその方がプラスということも十分にあり得ます。

また、クレジットカードを日常的に使っている人なら、いわゆるプレミアムクラスのカードへのアップグレードもしっかり検討すべきだと思います。プレミアムカードを所持していることは、まさしく自らの信用度の証しであって、ステータスを示すものです。実際問題としても、利用限度額などの面で利便性が高まりますから。

──いずれにしても自分に合ったカードを選ぶことが大事になりますね。では最後に関連して、お金の使い方について、蟹瀬さんのお考えをお聞かせください。

【蟹瀬】一定の期間ごとにライフスタイルの軸足が変わっていくということを意識しておくといいと思います。私の場合は、これを10年単位で考えています。昔、ある本で読んだんですが「20代は美しく、30代は強く、40代は賢く、50代は豊かに、60代は健康に」という言葉があるんです。例えば40代であれば、仕事も一人前にこなして、社会も見えてくる。お金を使うにしても、投資をするにしても、状況に合わせて選択する賢明さが求められます。その賢い選択が、50代の豊かさ、60代の健康にもつながるわけです。

ライフスタイル、ビジネススタイルは人それぞれですが、おおまかでもいいので、自分の人生の段取りを考えておくと、身の丈に合った上手なお金の使い方ができると思います。クレジットカードも、そのための一つのツール。人生設計のなかで、どんなカードを選んで、どのように使うのかを考えることで、上手な活用ができるのではないでしょうか。