とにかく褒められたい!

ここまでは「普通に盛り上がる」レベルの話です。男性が女性に対して「がぜん」盛り上がるのはどんなときでしょうか。それは、普段は評価されにくく、自分でもよくわかっていない魅力に光を当ててくれる人に出会ったときです。

合コンの席で、若き商社マンの田中くんが「厳格な課長の下で億単位の仕事に忙殺されている」という話をしていたとしましょう。

「その課長がうちの会社では珍しい真面目くんでさ、デリヘルの意味も知らないんだよ。だからこないだの国内出張で『デリバリーを頼みましょうか』と提案してみたら……」

田中くんは酔っぱらって下ネタモードです。ここで適当に笑ってあげれば田中くんは普通に盛り上がるでしょう。下ネタは受け流して億単位のビジネスについて聞いてあげるのも悪くはありません。しかし、よく観察してください。田中くんはおそらくその真面目課長を敬愛しています。その表現方法がちょっと間違っているだけです。

「田中さんはその課長が大好きなんだね。上司を尊敬できるのって素敵だな。課長もきっとわかっていると思うよ。デリヘルのことはわからないだろうけど」

という趣旨を笑顔でさりげなく伝えましょう。真面目に働いて成果を出している人を慕って自分も真剣に働くことの素晴らしさと力強さ。若い田中くんはあなたのおかげで自己発見をし、がぜん盛り上がるはずです。

では、男性をドンびきさせる女性の言動とは何か。もうおわかりですよね。その男性の長所や美点を目の当たりにしているのに、無視・否定・軽蔑することです。やりすぎるとドンびきどころか激しく憎悪されるので気をつけてください。

大宮冬洋
1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリング(ユニクロ)に就職。退職後、編集プロダクションを経て、2002年よりフリーライターに。ビジネス誌や料理誌などで幅広く活躍。著書に『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ぱる出版)、共著に『30代未婚男』(生活人新書)などがある。
実験くんの食生活ブログ http://syokulife.exblog.jp/