妥協できない女

この段階で、前の彼氏よりスペックが低い男性(しかし愛情深い)にも目を向けていれば、まだまだ結婚する可能性は大いにあります。

けれど往々にして、「昨日より明日、明日より明後日」の成長を目指す女性は、以前の高スペックな彼氏が男性を選ぶ「基準」となってしまい、妥協することができない。

そうこうしているうちに、自分も社内で着々と出世していったりして、仕事が俄然面白くなってくる。当然、仕事に没頭する。

そして、気付いたら、35歳です。ここまでくると、紹介案件もほぼ皆無というほど、なくなってきます。男性ってシビアなもので、今まで散々チヤホヤした女性が35歳過ぎると、いきなりハシゴを外すんですね。

あれは、ひどいと思いますよ。

こんな風に、結婚できない女とは、単純に結婚を選ばなかった女であり、したがって、モテない女では全然、ありません。

むしろ、経済的にも精神的にも自立している立派な女性が多い。

ただ、結婚の本質とは、お互いを求め続けること、相互補完すること。

「1人で完成している」人は、別に結婚しなくてもいい。それだけの話なのかもしれません。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。