実績がないと受験できない早稲田

――早稲田のAOは実績重視と伺っていますが、どんな経歴をアピールしたのでしょうか?

早稲田合格者「出願資格を満たしたら、筆記対策に力を注ぐ!」

【高橋】私は帰国子女なのですが、継続的に伸ばしてきた英語力をアピールしました。中高の6年間ESSに所属していて、英語のスピーチコンテストで賞をいただき、TOEFLのスコアも105点ありました。

【大脇】自分は島根県の離島、隠岐の海士町という町出身です。中学のときの修学旅行で一橋大学を訪ねたのですが、当時、本土からIターンでやってきた人たちと島の人が共同で街づくりをしようという計画が持ち上がっていて、それについて一橋大学のゼミ生を前にプレゼンをしました。それが教授の目に留まったことがきっかけで、東京ビッグサイトで千人の聴衆を前に話した経験を実績として話しました。

【川口】幼稚園から高校まで一貫の学校に通っていたので、大学受験が人生で初の受験でした。学校は好きだったけれど、もっと外の世界に接したいと思い学園祭実行委員長をやったり、日本高校生学会の活動をしたりしました。そうした行動が気づいたら早稲田の出願要件にかなっていたという感じです。

【高橋】でも、早稲田のAOってAO入試っぽくないよね。

【川口】確かに筆記の比重が高い気がする。小論文で進化論について出題されたりして、対策として文理関係なく新書を読みあさりました。

【高橋】慶應の場合、学力以外の魅力をメーンで見ている印象ですが、早稲田の場合、学力を重視していて、学力以外の活動実績は「加味する」くらいに感じましたね。ただ、活動実績が出願条件なので、まずはそこをクリアしないとと思って、高校2年までは英語に力を入れていました。

【大脇】評価されやすい経験も違う気がします。慶應の場合、海外留学や企業が主催する研修に参加したなどの経験が評価されやすいのに対し、早稲田では、高校時代に学校以外の習い事に打ち込んできたり、部活で高い実績を残した人が多い。

【高橋】慶應に受かる子って、もう将来なりたい自分像みたいなのがあって、それに向けて動いている人が多い。

【川口】そうそう。学生団体みたいなのを高校生ながらに運営していたり。都心のそういうコミュニティーに行くと、社会人との接点を求めて学生団体の活動を熱心にやっている人って意外とたくさんいるんですよ。

【高橋】あとは早稲田と慶應の校風の違いもある気がします。

【大脇】自分は実はさっきまで東北の仮設住宅に住んで、受験生の指導をしていて、ヒッチハイクで帰ってきたんですよ。そういうわが身を振り返ると早稲田っぽいのかなと思います。