どの程度の自己評価をすればいいのか

人事評価の時期が好きな人はいない。多くの人にとって、査定レポートにおける自己評価は、評価プロセスの中でもとくにわずらわしい部分だ。自分自身のパフォーマンスについて何を書けばよいのだろう。傲慢な印象を与えたり墓穴を掘ったりせずに、正直な自己評価を書くにはどうすればよいのだろう。『How to Be Good at Performance Appraisals』の著者、ディック・グロートは、このテーマについて多くのことを語っているが、そのほとんどが肯定的なものではない。

「評価プロセスに社員自身の視点を取り入れることが重要なのは認めるが、現在のやり方は間違っている」と、彼は言う。彼の考えでは、人間は自分自身のパフォーマンスについて正しい評価はできないということがさまざまな研究から明白なのだから、自己評価はプラスの面だけに的を絞るべきだという。査定レポートは社員に自己批判させるものであってはならないと彼は考えている。

ハーバード経営大学院の上級研究員で、キャリア開発プログラムのディレクターを務めているティモシー・バトラーも、自己評価はパフォーマンスを評価する最善の方法ではないと言う。だが、1つの目的には役立つと、彼は思っている。

「それは過去1年のできごとに関する重要な情報源なのだ」

自己評価の有用性についてあなたがどう思っていようと、査定時の自己評価は会社生活につきものだ。ゆえに問題は、それにどのように対処するか、である。人事評価の時期が巡ってきたとき助けになる原則をいくつか紹介しよう。