回答「できる・できない」の対処パターン

自分に基礎知識がある質問ならば、「質問はこういうことですね」と確認をしながら、自分の中で回答を探す時間を稼いでみる。あるいは、聴衆や他の聞き手など、その場にいる人たちに回答を聞いてみるのも一つの手だ。たとえば大勢のときなら、「なるほど、そういう考え方もありますね。ほかのみなさんはどのように思われますか?」とする方法もある。近くに身内がいるならば「これについては、詳しい佐藤に変わります」といった手もあるかもしれない。

特に、その場に自分よりも詳しい人がいる、何か言いたそうな人がいる、助けてくれそうな人がいるときには、うまく他の人にふることで違った見解が得られることもある。たとえ自分と意見が違ったとしても、「なるほど、そういうこともありますね」から、新たな発想が浮かぶかもしれない。回答につまって沈黙するよりも、ずっと有意義だ。

自分はもちろんのこと、誰も回答を持っていないことだってある。そんなときには「私のデータはXXまでです。私も気になりますので、お調べしてお知らせしましょう」のように、潔く引き下がることで信頼を保てる場面もあるはずだ。

想定問答の準備は、大勢か少人数に関わらず大切にしておきたい。すべての質問に答えるのは不可能だとしても、キーワードから回答パターンを用意しておくだけでも不安から解放されて、自信につながるはずだ。

[参考資料]
*『スティーブ・ジョブズ驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ著 井口耕二訳 2010 日経BP社

【関連記事】
聴いて9割、話して1割。仕事のムダを省く法
聞き手の生活に密着させると、数字の効果は倍増する
表情だけで相手の心を動かせるか
まずは結論を! 理解と記憶を促す短文の効果
嫌われる男の行動・外見・会話・思考