役員になれる人と中間管理職で終わる人の違いは、意外と小さなところにあった!エグゼクティブクラスのヘッドハンティングを担う敏腕ヘッドハンター10人が、役員に昇りつめる人たちの共通点を激白する。
マナー■人に対してうるさすぎず、かつ自然にスマートに振る舞えるか

ものを大事にし、「食」を愉しむ

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食事のときは

食事のマナーにおいても、役員とそうでない人の差が顕著に表れる。

ヘッドハンターたちは紹介候補者はもちろん、役員クラスとの会食の機会も多い。特に役員クラスに関しては一様に「とにかく好き嫌いなく、きれいに食べる」と口を揃える。

「米粒1つ残さず、箸の先だけを使って、上品に食べる」(リクルートエグゼクティブエージェントで流通系企業を担当する久乗健次エグゼクティブコンサルタント)、「食べることを愉しむ人が多い」(ケンブリッジ・リサーチ研究所でベンチャー企業を担当する丸尾洋祐シニアコンサルタント)というのも共通した意見だ。

「食べ物を残すなど、ものを大事にしない人は、仕事も雑な印象を与える」(久乗さん)と、厳しい意見も。

箸使いひとつでも“育ち”がわかるが、だからといってすぐさま役員候補から外れるわけではない。

「会食のマナーや立ち居振る舞いは、上がきちんと教えてくれる。トップの人たちは、自分が身につけたもの、教えてもらったものは自然に人に返すスタンスがある」とは、リクルートエグゼクティブエージェントで大手メーカーを担当する森博禎ディレクター。上に立つ人々は、「教えてやる」という上から目線ではなく、あくまでも自然に教育するという姿勢だ。

最近は、「食」自体に興味がなく、上司との会食が苦痛という新人も多いが、上を目指すのであれば、食の愉しみを知ることも必要。酒が飲めないため敬遠する場合もあるだろうが、「会食はコミュニケーションの場。役員クラスでも飲めない人はいるので、気にすることはない」(メディカル系大手のエグゼクティブサーチを担当するケンブリッジ・リサーチ研究所、長谷川淳史取締役副社長)のである。特に役員クラスになれば、週7日会食があることも希ではない。自身が接待する日もあれば、接待される日もある。「好き嫌い」を言っている場合ではないのである。

ただし、彼らの多くがハシゴ酒などせず、切り上げ方も早い。

「長引かせず2時間位で終了し、完璧な去り方をされる」(久乗さん)、「オンタイムにはじまり『明日予定があるので』とサッと切り上げる」(外資系企業を担当するロバート・ウォルターズ・ジャパン 岩屋広志朗マネージャー)と時間にはストイックだ。