智春先生の脳食レシピ

脳に酸素を運ぶヘモグロビンは、ヘム鉄+グロビン(タンパク質の1種)。脳に酸素を届けるには、鉄分が必要です。ところが、小学校高学年の女子は特に鉄分不足なのです。

女子は男子より早めに、生理が始まる前に背がぐんと伸びます。成長期は、身長・体重の増加に比例し、骨・筋肉の材料も大量に必要になります。骨が伸びるとき、関節はコラーゲンを必要としますが、その材料も鉄なのです。生理が始まり慢性の鉄欠乏となり、集中力がもたなくなる。伊保子先生の言うように算数が苦手になるのも納得ですね。

鉄分補給でおすすめはアサリなどの貝類。鉄の合成に必要な亜鉛も豊富です。ただし1回の吸収量はわずかなので毎日食べさせたいですね。味噌汁の具、ボンゴレのパスタ、炊き込みご飯、酒蒸しなど献立を工夫してください。

さらに優秀な「鉄食」はレバー。吸収効率がよい豚レバーがおすすめです。牛肉や豚肉の赤い部分、マグロやカツオなど赤身の魚も鉄分のよい供給源です。

ホウレン草やプルーンは、鉄分補給には不向きです。鉄には動物性のヘム鉄と植物性の非ヘム鉄があり、植物性は吸収効率で劣るうえ、食物繊維のペクチンは体内の鉄を一緒に排泄(はいせつ)してしまうのです。それから牛乳は1日400ccまでをめどに。牛乳のリンは鉄を吸着し排出。貧血の原因の1つになります。

血液栄養診断士 佐藤智春
クオリティーライフ代表。
メディカル・コーディネーター。血液栄養診断士。
血液検査の結果から、個人に最適な栄養、医療面の助言をしている。
(勝亦理美=構成)
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