「読む」「書く」で知識をストック

元官僚で経済学者の榊原英資さんの著書、『君たちは何のために学ぶのか』という若者向けに書かれた本の中に、「得た知識は、鮮度が劣化しないうちにアウトプットすること」という記述があります。機内でも多くの方が榊原さんの著書を読まれていましたが、「知識のアウトプット」は、まさにファーストクラスに乗るビジネスエリートたちが実践していることそのものです。

本の内容を要約される方は特定の方ですが、ファーストクラスの常連のお客様の多くが、どんなささいなことでもメモを取る習慣が身についています。CAとの何気ない会話でも、ご自身が気になったことはすぐに書き留めます。そのため、常にペンとメモをセットでワイシャツのポケットに用意されているほど。こうしたメモをはじめとする一流の人たちの習慣をコツコツ実践することで、私自身、起業できたといっても過言ではありません。

私の講演を聴きにきてくださる経営者の方々も、どんな話にも真剣に耳を傾けてくださいます。しかも、みなさん費やした時間分だけは何かしら持って帰ろうというアグレッシブさを持ち合わせているので、ものすごい勢いでメモを取られます。あるとき、「なぜメモされるのですか」と質問したところ、「メモを取るのはビジネスの基本中の基本でしょう?」と。それを聞き経営者のみなさんの時間を無駄にしない姿勢、そして情報が目や耳から入った瞬間の感動や輝きを“フリーズドライ”することの重要性を改めて認識しました。

書名は思い出せないのですが、以前読んだ何かの本の中にも、「書く能力と話す能力は一流の仕事には欠かせない」とありました。