悩み「3日坊主で終わる」

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ダイエットや禁煙などと同じく、勉強にも「3日の壁」がある。さて、これをいかに乗り越えるか。

有効なのは、自分に与えるご褒美を工夫することだ。荘司氏は、「その日の計画を達成したら缶ビール1本、半月分を何とか終えたら友人と飲みに行く」といった自分へのご褒美を用意しているという。

篠原氏は、SNSを駆使した自分への褒美を提案する。

「自分が取り組んでいる勉強のことを、フェイスブックやツイッターなどに書き込むんです。『やったー、勉強、終わった』とか何でもいい。単なるつぶやきですが、本人にとっては自己開示することの快感がある。脳活動を見ても、線条体を含む〝報酬系.の部分が活性化することが示されています」

SNSへ書き込む効果は、「自己開示」による快感だけではない。誰かからレスポンスがあったり、「いいね!」と言われたりすれば、快感は倍増する。

「意欲ややる気は、最初が最も高く、2度目、3度目となると徐々に減退していく。飽きるのは当たり前なんです。それを防ぐには、誰かに褒めてもらう、励ましてもらうことが1つの手。SNSは、手っ取り早く〝サポーター.を見つける手段になるでしょう」(篠原氏)

無事に「3日の壁」を越えられたら、次は5日、10日と目標を上げよう。内藤氏はこう語る。

「人が何かを習慣化するのには約3週間かかり、それを超えたら、習慣がその人にとって欠かせないものになります。これを『マルツの法則』といい、心理学者マックスウェル・マルツ博士の実験で明らかにされています。ともかく3週間は、何としてでもがんばり続けましょう」

諏訪東京理科大学教授 篠原菊紀
1960年、長野県生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て、現在、諏訪東京理科大学共通教育センター教授、東京理科大総合研究機構併任教授。専門は応用健康科学、脳神経科学。著書に『勉強にハマる脳の作り方』など。

弁護士 荘司雅彦
1958年、三重県生まれ。東京大学法学部卒業後、日本長期信用銀行、野村証券投資信託を経て、司法試験合格。91年、弁護士登録。著書に『最短で結果が出る最強の勉強法』、娘の中学受験をテーマにした『中学受験BIBLE』など。

立正大学心理学部特任講師 内藤誼人
慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、立正大学心理学部特任講師、有限会社アンギルド代表。実践的なビジネス心理学の第一人者として活躍。『すごい! 勉強法』『不安があなたを強くする』など著書は200冊超。
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