コンビニコーヒーは新規顧客開拓だけでなく、客の囲い込みにも一役買っている。Pontaカードを提示すればコーヒーが30円安くなるローソンでは、購入客の9割近くがPontaカード会員だ。ミニストップでも、WAONカードを使えばポイントが付き、実質30円引きになる。

「リピート率(ここでは2週間以内の購入)5%の弁当や惣菜、10%のロールケーキに対して、淹れたてコーヒーのリピート率は約40%。常習性のあるコーヒーは、カードを持つ動機づけになる。Pontaを分析した結果を踏まえた商品開発も実験的に進めています」(ローソンの吉澤氏)。リピート率の高さについてはほかのチェーンも口を揃える。淹れたてコーヒーはコンビニが推し進めたい顧客の固定化戦略とも抜群に相性がいい。

コンビニ4店の淹れたてコーヒー

セブンカフェ(セブン-イレブン)
【価格】100円(ホット・R)
【開始時期】2013年1月
1日の販売数は約83杯。リピート購入率は55%超。マシン、カップなどのデザインは佐藤可士和氏によるもの。目標の4割増で推移し、発売から約半年で1億杯を売り上げた。
MACHI cafe(ローソン)
【価格】180円(ブレンド・Mサイズ)
【開始時期】2011年1月
チェーンの中で唯一店員が淹れるスタイルを取る。立地よりも接客力の高い店の売れ行きが好調で、「コーヒーが売れるお店では(高額の)うなぎ弁当も売れた」という。
あじわいファミマカフェ(ファミリーマート)
【価格】150円(ブレンド・ラテ)
【開始時期】2012年9月
顧客の男女比は49:51。ブレンドとラテを同価格にしてわかりやすさを訴求。オフィスビルの中、高速道路のSAで好調という。試飲会をして売り上げが3倍になった店舗も。
M'sスタイルコーヒー(ミニストップ)
【価格】150円(ホット・レギュラー)
【開始時期】2010年11月
顧客の中心は男性。店舗スタッフがまとめてドリップしてポットに入れてある。自分で好きな量だけ注ぐスタイルを取っており、フルに入れれば260ml。
(向井 渉=撮影)
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