例えば、「アイツがしていることは、ろくなことではないだろう。本当に困ったヤツだ」といった「責め」の気持ちがあれば、何を言われてもすべてネガティブにとらえて聞くので、相手が言っていることの正当性がわからなくなってしまいます。そのため、相手に対して「責め」の気持ちで話を聞くのは、判断ミスに繋がります。

逆に、自分が猛烈に嬉しくて有頂天になって浮かれていると、部下が持ってきた深刻な話が耳に入りません。

トップに立つ人ほど、感情コントロールの訓練が必要です。トップはつい「自分はエライ」という強い自意識を持ちがちですが、その傲慢な感情をコントロールしないと、正確な情報を聴き取ることはできません。

3つ目の質問技法は、質問することによって相手の話の内容を的確に絞ることができ、また、いい質問は相手のやる気を喚起する効果があります。

「明日、僕のプレゼンに質問が出ないといいけれど……」と思う日本人は多いものですが、質問をネガティブな行いだと思うのは誤解です。

建設的な内容であれば多く質問が出たほうが、より的が絞られ、不明点は質疑応答の中で自然に解決され、よりいい仕事や企画に仕上がっていきます。

相手の話をよく聴いて、質問は個条書きに絞って、短く、的確に訊くこと。そして、答えるほうも的を絞って答えることが肝心です。

なかには、「自分はこういうことをやっているのですが……」などと、自分の業績や過去の功名を混ぜ込んで長々と質問する人がいますが、これは周囲に最も嫌われ、かつ、内容も意味のない質問であることが多いのです。