そんな椎名さんの現状打開策は、まず19万円と突出して高い住居費を下げることだ。椎名さんの住まいは賃貸マンション。リタイア後は九州の実家に帰るつもりなので、家を買うことはないと考えている。そこで、もっと手頃なところに引っ越せば、月7万円は下げられる。さらに毎日タクシーに乗るのもやめれば、月2万円は節約できて健康にもいい。こづかい6万円は決して多くはないが、これも5万円に削減したい。こうして生活を引き締めれば、月10万円以上の貯金は可能。養育費が終了する数年後には、末娘の教育費と老後資金の蓄積に邁進することができる。

ただ、妻には働くことをお勧めしたい。夫との年齢差が大きくリタイア後の期間が長いこと、また夫の実家で暮らすのを躊躇する可能性があることなどを考えれば、自分自身の老後資金を増やすことも検討したほうがいいだろう。

高収入家計を潤す、妻の月収5万円

(PIXTA=写真)

一方、椎名さんと同じく3人の子を育てながら、順調に貯金を増やしているのが栗山さん。1500万円の年収があっても、学齢期の子が3人いれば家計は決して楽ではない。貯金を取り崩してもそう不思議ではないはずだ。

栗山家では、年間のボーナスのうち175万円が学費に消える。ボーナスから貯金できないので、毎月の収支から15万円を貯めている。これができるのは、妻が家計をきちんと管理しているおかげだ。

さらに、妻が料理教室を開き月5万円の収入があることも意外に大きなポイントだ。これが妻のこづかいとなり、家計にゆとりを持たせている。

高収入セレブといえども、妻が贅沢三昧していては決して貯金は貯まらない。

●椎名家はここを改善!

・養育費が終わった後はしっかり貯蓄を!
・家賃が安いところへの引っ越しを検討する
・妻はまだ若いので、働くことも検討

●栗山家はここが優秀!

・教育費がピークの時期も貯蓄に手をつけない
・妻の収入が家計に余裕を持たせている
・教育費終了後はボーナスから貯蓄可能に

(有山典子=編集・構成 PIXTA=写真)
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