わが子の進学した大学は、はたしてビジネス人生で得をするのか損をするのか。親としては大いに気になるところだ。そこで、東進ハイスクールの「進学動向調査データ」を参照しながら、その傾向を探っていく。
調査概要/2011年春の入試について、東進ハイクスール・東進衛星予備校の在籍者(約10万人。高校3年生のみ)データをもとに集計。図版上、%で示しているのは比較対象の2大学(学部)の両方に合格し、いずれかに入学した人数の割合。難易度は東進が公表している偏差値で、複数の入試方式がある際はもっとも高いものを採用。

頭1つ抜けるのは学習院と明治

東京の準難関大の5校(明治・青山学院・立教・中央・法政)を称して「MARCH(マーチ)」といい、近年ではこれに学習院大を合わせて「Gマーチ」などともいう。6校のうち、頭1つ抜けているのは学習院大と明治大。

「学習院大は爆発的な人気こそないものの就職実績は悪くありません。小規模な大学ですが天皇家とつながっているというイメージのよさもプラス材料です」(大学通信・安田氏)

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図2 学習院・MARCH

「明治大は御茶ノ水の『リバティタワー』が目立つなどイメージ戦略に成功。2010年、受験者数が日本一になりました。就職支援もしっかりしています」(東進ハイスクール模試事業部制作部長・大西朗氏)

企業側の受けも悪くない。

「学習院大卒はおっとりしていますが人当たりはいいですね。明治大卒はガツガツしたタイプが多い。Gマーチクラスの出身者だと“東一早慶”クラスにありがちな傲慢な態度も取らないから、敵が少ないのも特徴ですね」(メーカー・人事)

その裏返しで人脈などは東大・早慶には及ばない。浪人させて難関大にするか、現役で準難関大にするかは迷うところだ。なお、採用担当者の間では浪人・留年含めて2~3年であれば、就活でも大きな不利にならないというのが通り相場だ。

明治・学習院以外の4校はどうか。

「中央大はキャンパスが八王子という郊外にあるせいか、真面目でよく勉強する学生が多い印象。法政は明治と張り合っているイメージが強いですね。学生のタイプも似ています。立教、青山学院はどちらも学習院の学生に似ている。よくいえば遊び慣れている、悪くいえば遊んでいるだけの学生も目立つ」(金融・人事)