たとえば、デンマークやフィンランド、スウェーデンの子供たちが勉強意欲を失っているかというと、そうではない。むしろ、これらの国の人々と話した結果、彼らは将来に対する危機感をかなり強く持っており、子供たちの教育を怠っていないと私は感じた。最近注目されている教育大国フィンランドなどは、とくに国民の危機感が強い。デンマークにおける1990年代の教育改革にも学ぶべき点は多い。しかしこの日本では、「危機感の伝承」が、あるときからプッツリ途絶えているのだ。

一般論として、裕福な社会では子供がスポイルされてハングリー精神をなくす傾向がある。ところがいまの日本は十分すぎるくらいの危機の中にあるのに、社会全体に危機感がない。親に危機感がないからである。