二つの似たような製品を提示された場合、ひとつは国産品(製品A)で、もうひとつの製品(製品B)がどこか外国でつくられたものとしよう。製品Bに輸送費や関税を加えても価格競争力があり、国産品にはるかに高い値段がつけられていた場合には、死んでも国民国家を支持するという人以外の大半の国民は、高価な製品Aを選ぶことはないだろう。

実際、純粋に「米国製」と呼べるシャツを買うのは不可能に近い。たとえば、生地はエジプトで生産された綿で織られ、縫った糸は日本製、ボタンはフィリピンから輸入されたものである。もし、縫製だけが米国で行なわれているとしたら、この縫い上がったシャツは、どの程度米国製だということになるのだろうか。