あのダイムラーですら、クライスラーを買ったために、危機に陥った。シーメンスもウエスティングハウスを買ってそうなった。この危機を乗り越えるために、ドイツ人は、グローバル経営というものを真剣に考え始めたのだ。

日本企業もそうだが、ドイツ企業もまたアメリカという巨大市場では相当な苦労をしてきている。ただ、日本企業がオーガニック・グロース(organic growth:自力でコツコツと成長していく手法)を取ったのに対して、ドイツ企業は大胆なM&Aによる成長戦略を取った。これは実際にやってみると、莫大な投資資金が必要とされるだけでなく、企業文化の違いから一時的な生産性の低下を招いてしまったのである。

その結果、ドイツでは部長以上になるには、アメリカの工場の経営ができるだけでなく、財務の立て直しぐらいできなければダメ、ドイツ式経営だけではダメ、英語ができなければ話にならない、となりグローバル経営を本気で目指すことになったのだ。