日本人はアメリカ映画をよく見る。たとえば、200億円の興行収入があり、40億円の著作権料を支払った場合、この数字は日本の経常収支には表れるが、日米の貿易統計には表れない。しかし、アメリカの映画会社が一本につき100万ドルで日本の配給会社にフィルムを個別に売れば、それはアメリカの貿易統計にカウントされる。

これでもうお分かりいただけたと思うが、政治的に強い関心を集める公式統計は当てにならない。あからさまに言えば、まったくのデタラメである。経済活動のほんとうの流れを、正確に反映していない。何もかも、正確に反映していない。消費者がそう考えているという意味で、「アメリカ製」「日本製」というカッコ付きの言葉を使うが、1980年代中頃、日本で売れた「アメリカ製」のモノとサービスをすべて公式の統計に含めれば、国民一人当たりにして、アメリカ人が買う「日本製」の4倍もの「アメリカ製」を、日本人は買っていた計算になる。それ以降、この開きは大きくなる一方だ。