私がよく会うヨーロッパのビジネスリーダーたちも、「私は収入の10%をビル・ゲイツのように、慈善団体に寄付しています」とか、「1年のうちの1カ月は夫婦で休みをとってアフリカの国に行き、貧困問題に取り組んでいます」などという話をする。多忙なはずのビジネスリーダーたちが、これをごく普通に言う。

「あなたは地球を商売の道具にする一方で、この地球に何を返していますか?」

というわけである。

これは、昔なら貴族に要求された「ノーブレスオブリージュ」(noblesse oblige)であり、現在のリーダーたち、教養人たる人たちの一種の義務と考えていい。

つまり、ビル・ゲイツが、まず10億ドルのマイノリティ向けの奨学金をつくり、その後、33億5000万ドル(当時のレートで約4020億円)という史上最高額の基金の「ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団」(Bill & Melinda Gates Foundation)をつくったように。