サービスの経済(EOS)が確保できれば、宗教や、民族や、人種の違いはそれほど重要ではない。文化や習慣を考えれば、違いが完全になくなるわけではないが、その重要性は薄くなる。シンガポールの人口は70パーセントが中国系だが、経済が繁栄して、民族間の争いが起こる状況ではないので、少数民族が30パーセントを占めていても問題ではない。投資を考える企業が、民族問題を心配することもない。しかしインドネシアには、500前後の部族、1万8000の島、1億7000万人の人口がある。これでは、どんな政治組織論を使っても、政治情勢が安定するはずがない。投資家は不安をぬぐいきれない。

それでもインドネシアはこれまで、紙の上だけの平均的なインドネシア人を想定し、中央政府による支配によって、ひとつの政治秩序を確立しようと努めてきた。これでは、なかなかうまくいかない。しかし、サービスの経済によって決まるシンガポールほどの大きさの地域国家が二つか三つ、国内にできるようにすれば、こうした地域国家は管理できるようになろう。