──自動車会社にも似ている。

【仙波】これに対してサントリーは事業がたくさんあるので、事業部が多い企業組織だ。80年代前半、ウイスキーの「オールド」への依存が8割を超えていた構造を改革し、水をはじめ多角化を進めていまの形になった。サントリー酒類とサントリービア&スピリッツという営業部隊の会社に分けたのは実は私。このほか、売り場づくりや樽生アドバイザーなどがいるサンリーブという会社もある。清涼飲料と比べビール類は新製品の数は少なく、既存商品中心となるため、営業依存型の特質をもっている。組織を分けたことで、ハイボールは生まれたと思う。

──自身の営業での経験を。

【仙波】上海で酒類の責任者をしていた10年から11年、700人の営業部隊がいた。新年会では700人が私にビールをつぎにくる。国籍や言語を超えて、彼らと心で通じ合うことができたのは収穫。考え方を含め違いを認め合えれば、海外でやれる。

サントリー酒類常務 仙波 匠
サントリー酒類常務取締役ビール事業部長兼ビール事業部プレミアム戦略部長。1985年サントリー入社。2011年9月より現職。
(的野弘路=撮影)
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