住まいの老い支度には
知識と時間が必要

高齢期はそれまで元気だった人でもささいな事故や、病気をきっかけに急激に状態が悪化することが少なくない。

「介護が必要になってから慌てないよう、早めに情報収集しておくことが何よりの備えになります。高齢者施設に関する相談は地域包括支援センターで一元化しているほか、医療関係は地元の調剤薬局などで話を聞くのもお勧めです。あとは身近な介護施設を見学することに尽きます」

住み替えは不動産の処分などの問題も生まれる。池田さんは、早いうちに住まいを処分しマンションなどに引っ越す「スモールライフ」を提案する。

「元気なうちに不要な物や付き合いを見直し、身軽になっておけば、その先の住み替えが容易です。最初の住み替えは一般賃貸でもよいので、緊急時の手当てをしておくことが条件。その点、自立した方向けのサ高住があれば支援面で安心です」

住まいの老い支度には、知識と時間が必要だ。身体が健やかで、頭もクリアなうちから家族としっかり話し合い、準備を始めたい。