ビジネスをめぐる状況が刻々と変わるいま、我々には、どのような課題や能力が求められているのか。今回、アンケートの調査結果をもとに、ライフネット生命副社長・岩瀬大輔氏がアンケート結果を分析。8つの力に収斂させた。データと実践のためのヒントをお届けしよう。
【調査概要】gooリサーチとプレジデント編集部の共同調査により、「学びの習慣」に関するアンケートを行った。2011年7月22日から26日まで実施し、ビジネスパーソン665人の回答を得た。

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【8つの力】4.仕事体力

知力、体力、気力は優れた仕事をするのに必要な基礎体力といっていい。これら「仕事体力」を高めて、ビジネスパーソンはアスリートであるべきというのが私の考えだ。

仕事体力を養うのに欠かせない、勉強への意識はどうか。「勉強に充てる時間は平日で何時間程度か」という設問に対し、「15分未満」と答えた人が500万円台で42.7%を占めた。15分未満というのはほとんどゼロも同然だから、危機的状況である。一方の1500万円以上では、半数以上が30分以上を勉強に充てており、稼ぐ人ほど勉強への意識は高いのがわかる。

社会人になった途端に勉強をしなくなる人が多いのは、勉強しなくても脊髄反射で日々の仕事を乗り切れてしまうからだろう。しかし、ビジネスパーソン、特にプロフェッショナルであれは、常に勉強して知識を身につけておかなくてはならない。スポーツに例えるとわかりやすいが、アスリートは試合に出るために毎日練習する。

練習せずに試合だけ出場している選手はいない。イチローでさえあれだけ練習するのだから、プロとして仕事をする以上、ビジネスパーソンも勉強にもっと時間を割くべきだ。

体調管理の話をすれば、飲みすぎて寝不足だとか、勉強しすぎて寝不足だという人もいるが、これもおかしな話。イチローが、「昨日も朝4時まで素振りしていたから、今日は睡眠不足で調子が悪い」ということはありえない。コンディションを最高の状態に整えて試合に臨むのがアスリートの仕事であるなら、最高の力を発揮できるような状態で1日の朝を迎えるのはビジネスパーソンにとっての責務だといえる。

運動の習慣についても見てみよう。「仕事が忙しいときでも、運動や体を動かす時間は優先的に確保する」「定期的に運動する習慣がある」の設問で、「あてはまる」と答えた人が1500万円以上では500万円台の約2倍という結果が出た。運動と仕事にはどのような関係があるのだろうか。

私は運動を始めたばかりなので偉そうなことは言えないが、脳の活性化のためには運動が大事だということは、最近になって実感するようになった。飲みすぎた翌日など、朝早く起きて家の周りを少し走るだけで、気分がスッキリする。

じつは健康増進のためや痩せるためと言われても、まるで運動する気が起きなかったのだが、頭をスッキリさせて快適な1日を送るための運動は不思議と苦にならない。自分の能力を変えることができないなら、せめて持てる力を最大限に発揮したいと思う。

ライフネット生命保険副社長 岩瀬大輔
1976年、埼玉県生まれ。98年東京大学法学部卒。大学在学中に司法試験に合格。米ハーバード経営大学院に留学後、ライフネット生命の設立に参画。著書に『入社1年目の教科書』など。