2000年の介護保険法施行と同時に介護サービス事業を開始したメディカル・ケア・サービス。いま全国に展開するグループホーム(認知症ケア)や有料老人ホームなどは、計200カ所を超える。山本教雄・取締役経営企画本部長が語る同社の企業理念は、「普通の生活を当たり前に」である。
「私たちのケアは、お一人お一人の背景や人となりを理解することから始まり、その方らしい『普通』を追求します。入居者の皆様が最期まで自分らしく生きられる環境を実現する。そのためには、〝できないことを支える〟だけではなく、その方が〝できることを生かしていく〟支援が必要です。サービス開始当時から磨いてきた豊富で高度な介護ノウハウを最大限に生かしています」
そうした思いと実績が、24時間看護の介護付有料老人ホーム「アンサンブル大宮日進」と「アンサンブル浦和」(ともに埼玉県さいたま市)を生んだ。

ホテルのような「上質」を
抑えた費用で提供したい

那須春樹●なす・はるき
メディカル・ケア・サービス株式会社
特定施設運営部 副部長

「アンサンブル」シリーズに共通するコンセプトを語るのは、同社特定施設運営部の那須春樹副部長である。

「介護施設が増えるにつれ、ニーズも多様化してきました。旧来の介護施設とは異なる、住まいとしての『上質』を望む声もあります。そこで私たちは既成概念を覆す、ホテルのような介護付有料老人ホームを目指しました」

「アンサンブル大宮日進」「アンサンブル浦和」を訪ねてみると、那須副部長の言葉がよく分かる。どちらもエントランスで迎えてくれるのはコンシェルジュ。「大宮日進」のロビーは、観葉植物や水槽で泳ぐ熱帯魚がリゾートホテルを思わせる。「浦和」のほうはモダンクラシックなトーンで、重厚なホテルの趣だ。

快適性を高めるためセンチ単位の設計にこだわったという居室も、まさに「上質」の具現化といえよう。

しかし入居一時金はゼロ。月額利用料は約24万円(家賃、食費、管理費)。介護保険の一割負担金などが別となる。

「ソフト面でも、常に最高のおもてなしを追求しています。真のニーズに耳を傾け、人生の先輩方に敬意を払い、人と人の関係を大切にしています」

毎日の喜びにつながる食事にも配慮が行き届く。献立作成には栄養士、調理師と薬膳マイスターも加わり、館内の厨房で調理する。健康を考えた、目にもおいしい温かな食事が用意されるのだ。ラウンジでお酒を楽しめるのも嬉しい。

医療支援で心強いのは、看護師が24時間常駐することだ。居室のナースコールは、館内全職員のPHSに部屋番号が伝わる安心のシステム。近隣の病院・クリニックとの提携で、緊急時対応と定期的な診察にも万全を期す。

「胃ろうやIVH(中心静脈栄養法)、インスリン注射など、さまざまな医療処置が必要な方々や、認知症の症状をおもちの方々にもご入居いただける体制です。ターミナルケアにも、心をこめて当たらせていただいております」