――グローバル化の波は、邦銀の海外展開も加速させている。今後、収益基盤としても、なお一層重要性を増していく。

【平野】欧州系金融機関が、長引くソブリン危機にあえぐなか、世界の金融市場での日本の銀行への期待感は強い。そうした追い風も受け、アジアのほかアメリカも堅調で、前期のグループ連結の国際部門粗利益は22%増加し、7553億円となった。

これまでは、融資を主体とした海外事業だったわけだが、ここにきて、非金融サービスにも力を入れている。例えば、海外進出のためのコンサルティング業務がそれだ。現地での資金・為替管理だけでなく現地企業とのビジネスマッチングも手がける。そうしたリアルエコノミーに貢献することが、金融グループ本来の仕事だろう。我々は黒子に徹して、貢献していく。

三菱UFJフィナンシャル・グループ社長 平野信行
1951年、岐阜県生まれ。東海高校、京都大学法学部卒。74年三菱銀行(現三菱東京UFJ銀行)入行。企画、総務、融資審査など幅広く経験。ブリュッセル、ニューヨークと海外の経験も豊富。2006年三菱東京UFJ銀行常務、08年専務、09年副頭取を経て、12年頭取就任。13年三菱UFJFG社長に就任。
(尾崎三朗=撮影)
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