靴の汚れはマイナス評価

男性の場合は身だしなみも大切。女性が男性を見る目は厳しいのです。特に、清潔感があるかどうかに気を配りましょう。身の回りの小物についても、手を抜いてはいけません。たとえば、靴が汚れていたり、取り出した名刺入れがボロボロだったりすると、女性の評価は急降下します。とはいえ、女性は、第一印象がいい人には評価が甘いので、身だしなみで失敗してもフォローできます。

女性客に話を聞いてもらえたとしても、セールストークを一方的に並べ立てたりしてはいけません。まずは“聴き役”に徹することです。ときどき相槌を打つことも肝心で、そうすれば、相手は「話を聞いてくれている」と実感できます。それから、早口の人には早口で返したり、声の大きな人には大声で答えたり、相手のペースに合わせると、会話が弾みます。話が盛り上がっていけば、顧客のほうから進んで商品を買ってくれることも珍しくありません。

マニュアルどおりの話し方もNG。女性は“オンリーユー”という特別扱いを好みます。誰に対しても同じような受け答えでは、「自分に関心がないのか」としらけてしまうのです。自分の意見をつけ加えてみたり、「○○さん」と相手を名前で呼んだりすると親近感が増します。さらに、「そのスカーフ、とてもお似合いですよ」といった感じで、具体的に相手をほめると、ポイントがアップします。

私は電話をかけたり、店員の態度を観察したりするだけで、その会社の実力も経営者のレベルも、だいたいわかります。なぜなら、組織の最前線である電話口や店頭に、会社の経営体質が表れるものだからです。優れたトップがいて、業績のよい会社は、いつ電話をかけても、どのスタッフが対応しても、印象がよいのです。社員教育がすみずみまで行き届いているからでしょう。経営陣の方々には、このことをぜひ肝に銘じてもらいたいですね。

女性客向け集客・営業支援の専門家 前川あゆ
化粧品、新築住宅、住宅リフォーム、広告企画の接客、営業職で20年以上のキャリアを持ち、どの分野でもトップセールスの成績を残す。著書に『売れるセミナー講師になる法』がある。
(構成=野澤正毅 撮影=熊谷武二)
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