時間を適切に配分したら、それぞれのカテゴリー内の活動に重要度に応じて異なる取り組み方をすることも必要だ。オールAをとろうとしたら、投資に対して最も高いリターンを生む活動に最大限の時間を投資することができなくなる。そこで私は、完璧主義と間違った時間配分を直すのに役立つ「INO方式」を開発した。その手順はこうだ。

やるべき活動に取り組むとき、それは投資活動(investment activity)か、中間的活動(neutral activity)か、最適化活動(optimize activity)かを考える。投資活動は、時間の投入量を増やして、仕事の質を高めれば、リターンが指数関数的に大きくなる分野である。

たとえば、戦略的プランニングは投資活動であり、愛する人たちと電話やメールではなく直接会って話をすることも投資活動だ。これらの分野ではAレベルの成果をめざそう。

中間的活動は無難に完了する必要があるだけだ。投入時間を増やしても、リターンは必ずしも大幅に増えるわけではない。例としては、プロジェクト会議に出席することやスポーツ・ジムに行くことがあげられるかもしれない。これらの活動はやる必要はあるが、Bレベルの成果をめざせばよい。

最適化活動、つまり能率的に処理することが肝要な活動は、投入時間を増やしても生み出される価値は増大せず、他のもっと重要な活動をする時間が減るだけになる活動だ。これらの分野ではCレベルの成果をめざせばよい。速く終えれば終えるほどよいのだから。基本的な事務作業や使い走りのほとんどはこのカテゴリーに入る。

全体的な目標は、投資活動に使う時間を最大化できるよう、最適化活動に使う時間を最小限に抑えることだ。INO方式を使うことで、完璧主義の傾向を直して、本当に重要なことにもっと時間を投資できるようになり、私生活のうえでも仕事のうえでもより大きな成果をあげることができる。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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